Proof of Stake(プルーフオブステーク)とは?Proof of Workとの違い

ビットコインが急騰し続け、それに伴い毎日のように仮想通貨の話題を耳にするようになりました。

そんな仮想通貨の代名詞であるビットコインを支える基盤がブロックチェーンとProof of Work(プルーフオブワーク)システムです。

今回は仮想通貨の元祖であるビットコインの取引を円滑に進めていく仕組みの1つProof of Workに注目し、その仕組みと問題点、この問題点を解決するためにアルトコインが多く採用しているProof of Stake(プルーフオブステーク)についてお伝えしていきます。

ビットコインの取引を支えるProof of Work

ビットコインの取引を支えるProof of Work
ビットコインの取引情報は分散して管理され、承認作業は10分ごとのブロックでまとめて行われます。これまでの取引情報の先端に新しいブロックを繋げるための鍵を見つける作業をマイニング(Proof of Work)と呼んでいます。

Proof of Workは直訳すると「仕事による証明」つまり、みんなで取引を承認するシステムという意味です。

このシステムを持っているからこそビットコインは中央部分に管理されることもなく、機能し続けています。

Proof of Workの仕組みと問題点

ビットコインのPOWシステムは、性能の良いコンピューターを使用し、最短で承認する事ができたマイナーが報酬を受け取れる形です。

ビットコインの価格が上昇するに連れ、この競争も激化し、性能の良いコンピューターを複数台使用してマイニングを行うマイナーが増えたことから、コンピューターの維持管理費も高額になり、消費電力も膨大になってしまいました。

競争が激化するに伴いPOWの難易度も調整され、難易度が高まるたびに益々パソコンにかかる電力消費量も多くなっています。

ビットコインの問題ともいえる『51%攻撃』

もう一点POWには大きな問題があります。これは「51%攻撃」と呼ばれる問題です。

51%攻撃とは特定のマイナーがマイニング量の51%以上をシェアすると2重払いなどの不正取引を行えるようになるというシステムの問題です。

ビットコインのネットワークで51%以上のマイニングを行おうと思うと莫大なコストがかかり現実的ではないとも言われていました。

しかし、ビットコインのPOWの難易度が上がるたびに個人でのマイニングが難しくなってしまい、個人がマイニングを行う手段として、マイニングプールと呼ばれるマイニンググループに参加する動きが自然に作られてきています。

現在、中国などの電力量の安い国のマイニングプールが急激に成長している現状もあり、51%攻撃が現実のものになるのではという懸念も表面化しています。

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51%攻撃とは?ビットコインは大丈夫なのか?

アルトコインが多く採用しているProof of Stake(プルーフオブステーク)

アルトコインが多く採用しているProof of Stake(プルーフオブステーク)
ビットコインの後に誕生した仮想通貨の多くはPOWの代わりにProof of Stake(プルーフオブステーク)というシステムを多く採用するようになりました。

Proof of Stake(プルーフオブステーク)は直訳すると「掛け金の証明」となり、仮想通貨を所有している割合を証明するという意味になります。POS場合はマイニングの処理速度や仕事量ではなく、コインの保有量に応じて鋳造がしやすくなる構造です。

つまり最も早く仕事をした人が報酬を受け取るのではなく、最も多くその通貨を保有している人が最初に承認した人となる仕組みです。

そのためPOWの場合、採掘(mining)と呼ばれていましたが、POSの場合は鋳造(forging、minting、stakingなど)と呼ばれて別物として表現されています。アルトコインにはPOSを採用している通貨が数多くあります。

Proof of Stake(プルーフオブステーク)の特徴

POSはPOWの問題点を補えるように考えられたシステムです。まず承認作業に膨大な電力を消費することがありません。

またコインの保有量によって報酬が決まるので51%攻撃などの問題に対しても対処しやすい特徴を持っています。

例えば51%攻撃を行うためには、大量の通貨の保有が必要で、大量に保有している通貨に攻撃を仕掛け信頼を損なうようなことをしてしまうと、コインの価値が下がり得なことがありません。

そういった点でPOSは51%攻撃を防ぎやすい報酬の決め方でもあります。また承認の際に仕事を行う訳ではないので、マイニングのようにグループを作り作業をすることはなく、報酬の一極集中も防ぐ事が出来ます。

現在時価総額第二位の仮想通貨イーサリアムの場合は、誕生当初はPOWを採用していましたが、のちにPOSに切り替えています。

Proof of Stake(プルーフオブステーク)の問題点

POSの場合、保有することで金利が発生するシステムなので、その通貨の長期保有者が増え通貨の流動性が落ちてしまう危険があります。

特に発行上限が低いと、この問題が深刻になり仮想通貨の本来の役割を十分に果たせなくなる可能性もあります。

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今回は仮想通貨のアルゴリズムに注目してその特徴や問題点を確認していきました。

POWシステムの問題点が今後、何かの形で改善されるかもしれませんし、POSや他のアルゴリズムに変更されるかもしれません。

いずれにしても、分散管理という新しい取引形体や、それに関わる新たな問題に今後の経済発展の鍵が隠されていそうで、これからもまだまだ新鮮な面を見せてくれそうなのが仮想通貨です。

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