リップルが適用したロックアップとは?「価値の安定」に関係あり

ロックアップとは仮想通貨のリップル(XRP)が実施を予定しているもので、それまで1円未満だった通貨価値を50円以上にまで引き上げた原因の1つとなります。

まず、同年3月にイングランド銀行の決済システムの実証実験参加が表明され、その後、日本の大手銀行が決済システムにリップルを導入するプロジェクトを発足したという発表がされることによりリップルは徐々に高騰していました。

そして、5月を迎えロックアップの噂が流れると急激な高騰をしたのです。

こうした値動きについては様々な原因が絡みあうため明確に断言できませんが、ロックアップは高騰に対して少なからぬ影響を与えたと考えられます。今回はリップルが実施したロックアップを中心に見ていきましょう。

高騰と乱高下を繰り返したリップル

高騰と乱高下を繰り返したリップル
2017年3月からリップルは市場の銀行とプロジェクトを発足することで注目を集め驚異的な高騰をし続けることになりました。

それまで0.7円ほどだった価格は、4月に入ると3.5円から4円ほどにまで膨れ上がったのです。

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これほどの短期間に5~6倍に高騰するというのは結構な異常事態と言えるでしょう。このままでは通貨の信頼性が損なわれる危険性があります。

なおも値動きを見せるリップルについて5月6日にはネット上である噂が飛び交うようになりました。いわく「10年以上に渡るロックアップ契約をしたのではないか」という話です。

この噂が原因かは不明ですが急激な高騰を見せ、5月16日には正式にロックアップが発表されました。その後、瞬間的に50円台に突入するという一幕もありましたが急落を繰り返しながら20円前後で推移するようになります。

ロックアップとは凍結のこと

今回リップルが発表したロックアップとは「リップル社が保有しているリップルの取引を一定期間凍結する」というものでした。

リップルの元締めであるリップル社はリップルの総量である1000億枚のうち約617億枚を保有していて、その中の550億枚を2017年末までに取引できないようにするとのことです。

なぜこのような事をしたのかというと、それはリップルの価値を安定したものにしようと考えたからです。それまでの値動きは異常で、変動が激しすぎる通貨になってしまっていたためリップル本来の目的とはズレた状況が生まれていました。

ロックアップ発表後に価格は徐々に下落し、未だ安定しているとは言えませんが状況は改善されつつあります。

なおリップルは2018年1月以降、自社で保有しているリップルを10億枚操作できるようにする予定です。ただ果たして市場に何枚を放出するのか、市場ではなく特定の相手や銀行との取引に使うのかは不明だったりします。

他の仮想通貨でもロックアップはありうるか

もちろん可能性の事を言えば否定することはできませんが、今回ロックアップ騒動が起こったのはリップルだからと考えることができます。

リップルは他の仮想通貨とは異なる特性や目的を持っていて、例えば仮想通貨の機軸であるビットコインとは性質が異なるものなのです。

この点はリップルという仮想通貨について把握すれば自然と納得できるかもしれません。

リップルは理想的なブリッジ通貨

リップルは理想的なブリッジ通貨
ブリッジ通貨というのは、直接取引することが困難なお金の間を仲介する通貨となります。

極端な例でいうなら日本円と火星人の通貨を直接取引することはできませんが、その間にリップルを通すことで無事に取引できるようになるのです。

しかもリップルは仮想通貨なので送金に時間がほとんどかかりません。

それまで銀行は大きな送金を国際間で行う場合、大量の紙幣を輸送する必要がありました。

これはかなりのコストと危険性がつきまとう形です。輸送には人件費と燃料代もかかりますし強盗に逢わない可能性も否定できません。

ですが仮想通貨のリップルならそれを全て解決することができます。

リップルはこのように、銀行の決済システムを一新する特殊で革新的な仮想通貨なのです。

ブリッジ通貨が不安定では成立しない

リップルは決済を仲介するための通貨なのですが、この価値が不安定だと困ってしまいます。

実際に取引が完了するまで4秒ほどが必要となるため、もしその送金の間に価格が大きく変動していたら整合性が取れません。値動きが激しすぎると決済が不安定になるわけです。

またブリッジ通貨は決済のための道具なので1円が1XRPであっても100XRPであっても特に不都合は生じません。

なので本来は特に値上がりしてもしなくても良い通貨であり、サービスが利用されれば自然と上がり利用されなければ自然と下がるという通貨だったりします。ただあまりに相場が荒れたためロックアップが発表されたと考えるのが妥当でしょう。

信頼性の高いシステム

仮想通貨の代表格であるビットコインは利用者同士で構成されるネットワークのP2Pを採用し、相互に台帳の整合性を参照するという形を取っていますが、リップルはもっと中央集権的です。

リップル社が指定した「承認者」たちが取引の有効性を投票で承認する形となり、マイニングを必要としません。

膨大な電気エネルギーを消費せず、かつマイナーの恣意的な意志は介在しないのです。きちんとした人物が承認者である限り取引は迅速にかつ信頼性の高いものとなります。

リップルというのはこうした特性をもつ決済用の利便性の高い仮想通貨なのです。

ロックアップは銀行の決済システム実証に採用されたことで高騰し不安定になった価格を安定させるための対策であり、仮想通貨の黎明期に起こった1つの印象的な出来事と言えるでしょう。

他の通貨で起こる可能性は低そうですが、万が一起こるであろう噂が流れたらチェックしておく価値はあります。

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